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記事(速報版):WS03~ワークライフバランス~

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期待される研究者と実務家のコラボ

「人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクト」では、人文学・社会科学を中心とした多様な分野の研究者と、産業界や行政をはじめとするステークホルダーが、社会が直面する課題に対して共創する場づくりの一環としてワークショップを実施しています。その第3回目となる「将来の人口動態を見据えた社会・人間の在り方―ワークライフバランス」を、2021年2月9日にオンラインで開催。経済学を中心に経営学、社会学など様々な角度からワークライフバランスの研究を進める研究者、実際に政策を推進している行政担当者や企業担当者など31名のメンバーがそれぞれの立場からの問題提起、活発な意見交換を行い、広がりと奥行きのある議論の場となりました。

冒頭、テーマ代表者である大阪大学大学院経済学研究科・大竹文雄教授がテーマ設定の意図を述べ、専門である行動経済学の研究成果を示しながらワークライフバランスという社会課題に対して協働することの意義や期待を語りました。続いて、2名の研究者から今回のワークショップの目的である、研究チームの構築方法と課題設定の視点について話題提供が行われました。前者については、大阪大学大学院人間科学研究科・平井啓准教授が、実務家と研究者の分野を超えた共同研究の経験からコラボレーションを成功に導くポイントを提起。後者については、慶應義塾大学経済学部・大垣昌夫教授が、ワークライフバランスを考えるうえで、幸福観や倫理観の視点を加える重要性を示唆しました。

次に、ダイハツ工業株式会社、住友電気工業株式会社、株式会社堀場製作所の3社の担当者が、ワークライフバランス推進状況や課題を報告。推進の歴史や職場環境の違いによる固有の課題がある一方で、働き方に対する価値観の世代間・ジェンダー間ギャップやそれによる分断といった共通の課題も浮き彫りになりました。

自由な議論から生まれる研究の芽

ワークショップは5つのグループに分かれ、各グループに研究者、企業人、行政担当者が必ず参加する形で行われました。第1グループでは、企業の協力でどのような研究ができるか、この分野での産官学研究の問題点などについて議論。第2グループでは、実効性のある政策としてトップダウンの事例訴求やメンタルヘルス防止のための先端技術などが話題にのぼりました。第3グループでは、非製造業、非大企業のモデルの必要性、個人の選択を阻害しないあり方などがテーマに。第4グループでは、ワークライフバランス推進に必要な風土と制度について議論し、風土の解析、雇用主と被用者の関係性などが論点として浮上。第5グループでは、企業が抱える課題を切り口に、ダイバーシティの評価、パフォーマンスの評価など様々な方向から研究の可能性を探りました。

グループディスカッションの後、グループごとに内容を報告。それを受けた質疑応答と全員によるフリーディスカッションを通して、論点の掘り下げや新たな視点の提供が行われたほか、さらに幅広い協働の可能性も議論され盛り上がりを見せました。ワークライフバランスへの向き合い方もそれぞれ違うメンバーの間で、今後どのように研究チームは構築されていくのかが期待されます。

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記事(詳細版):WS03~ワークライフバランス~

ワークショップの概要は、以下よりご覧ください。

第3回 学術知共創プロジェクトワークショップ ~将来の人口動態を見据えた社会・人間の在り方~

テーマ代表者:大竹文雄 大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授(旧 大阪大学大学院経済学研究科教授)

ご案内リーフレットはこちら(PDF)

公募要領はこちら(PDF)

参加者リストはこちら(PDF)

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