Overview

プロジェクトの概要

 様々な課題を抱える日本や世界の状況を踏まえ、本事業では、今から30年先の2050年に「いのちを大切にする社会」を実現するため、人文学・社会科学が果たすべき役割を探究します。「いのち」は誰もがその大切さを認めるものであり、また人間や社会の意味やあり方を探求する人文学・社会科学に深く関わる概念です。本事業を通じて、人文学・社会科学の研究者は、自然科学の研究者や社会のステークホルダーとコミュニケーションを図り、新たな知を生み出す糸口にもなるでしょう。また、本事業では「いのち」とは何か、その善きあり方はどのようなものかという問いを根底に置き、未来を切り拓く人文学・社会科学の形成プロセスを言語化し、体系化します。

 本事業は、3つのステップを循環しながら取り組みを進めます。第1ステップとして、「将来の人口動態を見据えた社会・人間の在り方」、「分断社会の超克」、「新たな人類社会を形成する価値の創造」という3つの大きなテーマのもと、具体的な社会課題に関して、人文学・社会科学を中心とした研究者や実務家等、問題意識を共有する人びとにつどっていただき、ワークショップを年数回開催します。

 第2ステップでは、ワークショップでの議論を踏まえつつ、課題を絞り込み、より本格的な研究を準備するためのチームを構築します。チームでは解決に向けての研究の方針や計画、本格実施のための諸方策が検討されます。

 第3ステップとして、毎年度シンポジウムを開催し、本事業の活動状況を社会に広く発信するとともに、多様な人びとの問題意識や未来像を検証し、それらを踏まえて第1ステップに戻り、新たな課題の探究、既存の課題の再検討を行います。

 ワークショップの実施やチームの構築においては、学問分野だけでなく、年齢やキャリア、ジェンダー等、様々な視点から多様性に配慮して進めます。特に、次世代の人文学・社会科学をリードする若手研究者が分野間、セクター間の垣根を越えて知見を広げられるよう、若手研究者セミナー等も実施します。

 3つのステップの螺旋的循環を通じ、社会課題の解決や未来社会の構想に向きあうために人文学・社会科学の知はどのように変容すべきか、あるいは変容しうるかを常に問い続け、検証結果をホームページ等を通じて社会に広く発信します。