「人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクト」の第11回ワークショップを、2022年8月25日に開催しました。今回は、日本学術振興会の課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業・学術知共創プログラムに採択された「よりよいスマートWEを目指して」のキックオフシンポジウムを兼ねて行われました。
前半のキックオフシンポジウムでは、研究代表者である出口康夫教授(京都大学大学院文学研究科)より、個人が抱える「一人では何もできない」という「根源的できなさ」を踏まえ、行為・人生・ウェルビーイング・責任・権利の主体としての「自己」を「私(I)」から「われわれ(WE)」へと転換するWEターンを提唱し、その上で人間と人格を持った人工物(ロボット・AI等)が「共冒険者」として「われわれ」を構成するパラヒューマン社会を描くという内容で講演して
いただきました(講演の様子はプログラムのURLを参照)。
後半のワークショップでは、前半の講演を踏まえて、「新たな価値の創造を求めて-“わたし”と“われわれ”の境、人間と人工物の境を問い直す」というテーマで、石黒浩教授(大阪大学大学院基礎工学研究科)、青木宏文教授(名古屋大学未来社会創造機構)、堂目卓生教授(大阪大学社会ソリューションイニシアティブ)にパネリストとして登壇していただき、出口教授のモデレーションのもとで、自然科学における技術開発の最前線の視点と人文学・社会科学の視点が交差する活気にあふれたディスカッションが行われました。本ワークショップは収録形式で行われました。
ワークショップの様子は以下よりご覧いただけます。
およそ2時間程度の動画となっております。
なお、前半のキックオフシンポジウムの様子については、プログラムのホームページをご覧ください。
本ワークショップの動画視聴はこちら
プログラムのホームページはこちら
基調講演の動画視聴はこちら(準備中)
ワークショップで取り上げた主な論点
1. 人間(人格・自己)とは何か
2. WE(社会・共同体・絆)とは何か(どのようなものであるべきか)
3. 人工物は人格を持てるのか(持つべきか)
4. 人間と(人格を備えたないしは人格未満のエージェンシーしか持たない)人工物の関係
パネリスト
氏名 | 所属 | 役割 |
出口 康夫 | 京都大学大学院文学研究科 教授 | テーマ代表者(「新たな人類社会を形成する価値の創造」)モデレーター |
石黒 浩 | 大阪大学大学院基礎工学研究科教授 | パネリスト |
青木 宏文 | 名古屋大学未来社会創造機構特任教授 | パネリスト |
堂目 卓生 | 大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)長 | パネリスト |