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記事(速報版):WS01~共感・共創・共生~

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全国から41名が参加し3つの柱で議論

「人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクト」では、人文学・社会科学に携わる研究者・ステークホルダーが共創する場づくりの一環として、ワークショップを開催しています。2021年1月24日、その幕開けとなる「分断社会の超克―共感・共創・共生」がオンラインで開かれ、12の国立大学および公立私学3大学の多様な研究者に加えて、NPO運営者や企業人41名が全国から参加しました。全員が5つのグループに分かれて議論するワークショップに加えて、40代以下の若手研究者によるセミナーも行われ、4時間半に及ぶ熱気あふれる議論の場となりました。

冒頭、テーマ代表者である大阪大学大学院人間科学研究科・稲場圭信教授がワークショップのねらいを説明。社会の様々な局面で起こる「分断」を超えるために、分断のメカニズムをとらえ直し乗り越えていく方策を探るという目標のもと、分断の心理を克服するための「共感」、科学と文化の「共創」、社会的・文化的分断を乗り越える「共生」という3つの議論の柱が示されました。その後、参加者が研究内容やワークショップへの参加動機を1分間で自己紹介するフラッシュトークが行われました。

分断をとらえる多様な視点

本編となるワークショップは、「共感」2グループ、「共創」1グループ、「共生」2グループで実施されました。共感の第1グループは、分断や格差の生まれる社会状況やメカニズム解明の第一歩として、共感とは何かということや、共感と分断との関わりを議論。第2グループでは、感性や趣味、アート思考から共感を導く可能性が示され、共感を行動に変える仕組みづくりなど多様な議論が展開されました。共創のグループでは、科学と文化間、社会と文化間の分断や、それらを結び付ける科学コミュニケーションの現状が話題にのぼりました。共生の第1グループでは、共生を定義する数式をベースに、マイノリティや人間以外のものなど幅広い観点から共生を考察。第2グループでは、多様なステークホルダーが共創するモデルケースを示しながら、共生における自発的な関わりの重要性や人文学・社会科学の課題が議論されました。後半の若手研究者セミナーでは、引き続き3つの柱に1つずつグループをつくり、ワークショップで挙がったテーマはもちろん、研究者の協働を阻むハードルについても率直な意見の交換が行われました。共感グループでは研究分野間の共通言語の必要性などが、共創グループではアカデミアと社会の各分野とが協働の目的について対話する重要性などが議論されました。また両グループともに、学際研究の評価の仕組みが未整備であることを問題として指摘。共生グループでは、苦しむ人を対象とする研究の研究倫理の問題なども提起されました。多様な視点を持つ研究者が今後どのように協働し、イノベーションとなっていくのかが期待されるキックオフになりました。

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記事(詳細版):WS01~共感・共創・共生~

ワークショップの概要は、以下よりご覧ください。

第1回 学術知共創プロジェクトワークショップ ~分断社会の超克~

テーマ代表者:稲場圭信 大阪大学大学院人間科学研究科教授

ご案内リーフレットはこちら(PDF)

公募要領はこちら(PDF)

参加者リストはこちら(PDF)

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